法圓寺

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第351回

令和6年10月24日

肋骨(ろっこつ)の教え

骨折のてん末

 9月の下旬のことでした。夕方勉強会から帰ってきて、いつものように草花に水遣りをしていました。ところが水道のホースがリールに絡まってしまい、そのホースに足が引っかって転倒してしまいました。右手でホースを持っていたので、それを放すことができず、そのまま転んでしまいました。右手の肘が右の肋骨に当たり、地面に強く押しつけられました。かなり痛みがあり、翌日念のために外科医院で診察してもらいました。すると肘は打撲だけでしたが、右側の一番上の肋骨が一本骨折していました。

不幸中の幸い

 骨折した場所がもっと下の方でしたら、コルセットで固定することもできたのですが、一番上の肋骨でしたので、それもできず、結局、湿布と痛み止めの飲み薬をもらって帰ってきました。ネットで調べると、治癒には3週間はかかると書いてありました。骨折から10日位経過しましたが、痛みもやわらぎ普通の生活をしています。その他の箇所には怪我はなく、頭も打たなかったのは不幸中の幸いでした。骨折はしましたが、そのお陰で肺や内臓に損傷はありませんでした。

「もう若くはないぞ」

 今回の怪我で、私は老化ということを強く感じさせていただきました。学生の頃はラグビーをやっていましたし、運動が好きで今でもスポーツジムに通っています。ですから、まさか自分が転倒するとは思っていませんでした。そんなうぬぼれは見事に打ち砕かれたのです。今年、65歳になり高齢者の仲間入りをしたことは頭では理解していたのですが、身体はまだまだ若いと錯覚していたのです。しかし今回、年齢並みにしっかりと身体も老化していたのだと思い知らされました。もう若くはないぞと、阿弥陀さまが教えてくれたのだと思います。

「歳をとったおかげで…」

 これからは今まで出来ていたことが、だんだんと出来なくなってくるのだと思います。そして逆に人にしていただくことが、だんだんと増えてきます。そうなると、いかに自分がちっぽけな存在であるのかに気づかされます。しかしそれは逆に、そんな自分がいかに多くの人の力をいただいて今日まで生かされきたのかを身にしみて感じ、お陰様と思えるようになるチャンスなのかも知れません。ですから、ただ老化を嘆くだけではなく、それをお念仏の世界に出遇うご縁にしていけたらと思うのです。  若さを失うことを通して見えてくるものが、きっとあるのです。私たちも「歳をとったおかげで…」といえる人生を送りたいものです。

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